ものづくり補助金は農業にも使える!採択事例つきで申請ポイントを解説! | みんなの補助金コンシェルジュ

ものづくり補助金は農業にも使える!採択事例つきで申請ポイントを解説!

ものづくり補助金は農業にも活用できる補助金です。本コラムでは、ものづくり補助金の概要や、農業の活用事例、申請ポイントを解説します。

執筆: 梅沢 博香公開日: 2024-12-03
ものづくり補助金は農業にも使える?
井上 卓也カミーユ行政書士事務所 代表・行政書士

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。

ポイント

  • 農業者・農業法人でも、条件を満たせばものづくり補助金は申請できる
  • ものづくり補助金で補助対象になる事業は付加価値向上につながる取り組み
  • 付加価値向上に関係ない単なる農機購入は補助対象外

ものづくり補助金は農業でも使える?

農業者・農業法人でも、条件を満たせばものづくり補助金を利用できますものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が行う新製品・新サービスの開発を支援する国の補助金です。


項目
内容
支援内容
新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援
補助上限額
最大4,000万円
補助率
1/2〜2/3
参考:ものづくり補助金
また、ものづくり補助金の20次公募までの平均採択率は約49%。申請者の約半数が通過しているため、審査が特別厳しい補助金ではありません。

ものづくり補助金の概要をチェックする!
2026年度のものづくり補助金はどうなる?

農業が対象になる理由

ものづくり補助金では、農業という業種そのものが対象外とされていません審査で重視されるのは、「農業かどうか」ではなく、事業の中身が補助金の目的に合っているかです。
具体的には、次のような考え方が基本になります。

  • 単なる生産量の維持・拡大ではないこと
  • 新しい価値を生み出す取り組みであること
  • 生産性や付加価値の向上につながる事業であること

これらの要件を満たす場合、農業分野であっても補助対象になり得ます。

農業分野では、次のような取り組みがものづくり補助金の趣旨と合致しやすいとされています。


取り組み内容
具体例
農産物の加工による高付加価値化
加工設備を導入し、新たな加工品を開発
6次産業化に向けた新サービスの展開
自社ブランド商品の製造・販売体制を構築
省力化・自動化による生産プロセスの革新
選別・包装工程の自動化や、ICTを活用した管理体制を構築

ものづくり補助金の対象となる農業者・農家の条件は?

農業法人か個人事業主かに関わらず、応募申請時点で常時使用する従業員が1人以上いる農業者であれば、ものづくり補助金の対象になります。正社員に限らず、パート・アルバイトや家族従業員(常時雇用している場合)も従業員としてカウントされます。

一方で、代表者1人だけで農業を営んでいる場合は申請できません

ものづくり補助金では、「法人か個人か」ではなく、中小企業・小規模事業者等に該当するかどうかで申請可否が判断されます。

  • 農業法人:株式会社、合同会社、農事組合法人など
  • 個人事業主:個人で農業を営み、事業として継続している農家

重要なのは、継続的な事業実態があり、補助金の目的に沿った事業計画を立てられるかどうかです。
参考:ものづくり補助金

申請できる農業者の条件

ものづくり補助金では、応募申請時点で従業員が1人以上いることが必須条件とされています。従業員が0人の場合、事業計画や設備投資の内容に関わらず、申請できません。

ここでいう従業員には、次のような人が含まれます。

  • 正社員
  • パート・アルバイト
  • 家族従業員(常時使用している場合)

一方で、代表者1人のみで運営している農家は対象外となる点に注意が必要です。

また、従業員数が一定以下の場合、小規模事業者として扱われ、補助率が高くなります。



区分
目安となる従業員数
補助率
小規模事業者
常時使用する従業員が20人以下
2/3
中小企業者
上記を超える場合
1/2
小規模な農業法人や家族経営の農家は、補助率2/3の対象になりやすい点は大きなメリットです。制度の定義や最新条件は、公式サイトで必ず確認しましょう。

申請できない農業者の条件

次のようなケースでは、農業を営んでいても申請できません。

  • 従業員が0人の個人農家
  • 補助金の目的に合わない事業内容(単なる設備更新のみなど)
  • 事業としての実態が確認できない場合

特に多いのが、「個人で農業をしているから申請できると思っていたが、従業員がいないため対象外だった」というケースなので気を付けましょう。

ものづくり補助金の補助対象となる農業の取り組みは?

ものづくり補助金では、農業であっても革新的な新製品・新サービスの開発につながる取り組みであれば補助対象になります。単なる生産量の拡大や設備更新ではなく、「事業として新しい価値を生み出すかどうか」が判断の軸です。

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が行う革新的な新製品・新サービスの開発を支援する制度です。公式サイトでも、次のように整理されています。

  • 新製品・新サービスの開発による高付加価値化
  • 生産性向上につながる設備投資・システム構築

そのため農業分野では、「これまでと同じ農作物を、同じ方法で作る」取り組みは対象にならず、加工・工程・サービスの変化を伴う事業が評価されて補助対象になります。

農業分野で対象になりやすい取り組み例

農業では、次のような取り組みがものづくり補助金の趣旨と合致しやすいとされています。

  • 農産物加工による高付加価値化
  • 選別・品質管理工程の高度化
  • スマート農業・ICTを活用した新たな管理体制
  • 6次産業化に向けた新サービスの展開

これらはすべて、新たな付加価値を生み、事業構造を変える取り組みという共通点があります。以下、ものづくり補助金の補助対象になる具体的な費用です。


費用区分
内容例
機械装置・システム構築費
加工機械、選別機、生産・品質管理システムなど
クラウドサービス利用費
生産管理・品質管理用のクラウドサービス
外注・専門家費
開発・試作、システム設計に関する外注・専門家支援
これらのほか、技術導入費、原材料費、運搬費、知的財産権等関連経費なども、事業内容に応じて補助対象となります。

※これらの費用は、新製品・新サービスの開発に直接必要であることが前提です。単なる修繕費や日常的な運営費は、補助対象外となる点には注意が必要です。

農業分野で対象外になりやすい取り組み例

ものづくり補助金では、農業であってもすべての設備投資が補助対象になるわけではありません。特に次のような取り組みは、新製品・新サービスの開発に該当しないとして、対象外となる可能性が高くなります。


対象外になりやすい例
理由
農機具・トラクターの単純な買い替え
生産方法や提供価値が変わらないため
老朽化設備の更新のみ
新しい製品・サービスの開発に該当しないため
保管目的のみの農業用倉庫の建設
事業の付加価値向上につながらないため
ものづくり補助金では、「設備を導入すること自体」ではなく、「設備を使って何を新しく生み出すのか」が審査で重視されます。そのため、同じ農業用設備であっても、事業内容の説明次第で対象・対象外が分かれる点には注意が必要です。

事業が補助対象になるのか迷う場合は、次の視点で見ると判断しやすいです。

  • その投資によって、新しい商品・サービスが生まれるか
  • これまでと比べて、事業の付加価値や生産性が明確に変わるか

これらに該当する取り組みであれば、農業分野でもものづくり補助金の対象になる可能性があります。

また、迷った場合は専門家に相談するのがベスト。弊社は、提携企業を通じて補助金申請のサポートを行っており、これまでに90億円以上の申請総額、3,000件以上の申請実績があります。ぜひお気軽にご相談ください。

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ものづくり補助金の農業分野の採択事例

ものづくり補助金では、農業分野でも付加価値向上や生産プロセスの変革が明確な事業が採択されています。ここでは、採択事例を3つ紹介します。

採択事例1:農産物加工による高付加価値化

地域密着型の農業法人
従業員数:6名
補助金活用前の課題
生鮮農産物の出荷が中心で、価格変動の影響を受けやすく、売上や利益が天候や市場価格に左右されていました。
補助事業の内容
ものづくり補助金を活用し、農産物加工用の専用設備を導入。規格外品を活用した加工品の開発に取り組み、新たな商品ラインを構築しました。
補助金活用後の成果

  • 加工品の売上が全体売上の約30%を占めるまでに成長
  • 原価率が改善し、付加価値額が増加
  • 年間を通じて安定した収益構造を確立

単なる加工設備導入ではなく、新商品開発による収益構造の転換が明確に示されて採択されました。

採択事例2:選別・品質管理工程の高度化

露地野菜を中心に生産する農業法人
従業員数:10名
補助金活用前の課題
選別作業を人手に頼っており、作業時間の増大と品質のばらつきが課題となっていました。
補助事業の内容
自動選別機と品質管理システムを導入し、選別工程の自動化・数値管理を実現しました。
補助金活用後の成果

  • 選別作業時間を約40%削減
  • 品質基準が明確化され、クレーム件数が減少
  • 人手不足の影響を受けにくい生産体制を構築

生産性向上の効果が、作業時間削減などの数値で示されていた点が評価されました。

採択事例3:スマート農業・6次産業化の組み合わせ

農産物の生産から販売まで手がける個人事業主(法人化予定)
従業員数:3名
補助金活用前の課題
生産・在庫・販売管理が属人化しており、事業拡大に向けた管理体制が整っていませんでした。
補助事業の内容
ICTを活用した生産管理システムと、自社ブランド商品の製造・販売体制を構築しました。
補助金活用後の成果

  • 在庫ロスが減少し、利益率が改善
  • 販路拡大により売上が前年比約120%に増加
  • 事業の見える化が進み、法人化に向けた基盤を整備

スマート農業の導入と6次産業化を組み合わせ、事業成長のストーリーが明確だった点が評価され採択されました。

ものづくり補助金を農業で申請する際の注意点は?

ものづくり補助金は農業分野でも活用できますが、一般的な農業補助金と同じ感覚で申請すると不採択になりやすい制度です。農業者が特につまずきやすいポイントは、大きく分けて次の3点です。

  1. 単なる設備投資では採択されにくい
  2. 交付決定前に着手すると補助対象外になる
  3. 賃上げ・付加価値要件は必須条件

以下、それぞれ詳しく解説します。

1.単なる設備投資では採択されにくい

ものづくり補助金では、設備を導入すること自体は評価されません。審査で重視されるのは、設備導入によってどのような新製品・新サービスが生まれ、事業がどう変わるのかです。

例えば、

  • 加工機械を導入して、新しい加工品を開発し、新たな販路を開拓する
  • 選別機を導入して、品質基準を数値化し、取引単価や受注量を向上させる

このように、設備導入の先にある事業の変化を具体的に示す必要があります。単なる老朽化更新や作業効率化のみでは、補助対象事業に該当しません。

2.交付決定前に着手すると補助対象外になる

ものづくり補助金では、交付決定前に発注・契約・支払いを行った経費は補助対象外となります。

農業分野で特に多い注意点として、次のようなケースがあります。

  • 採択されたので、先に設備を発注してしまう
  • 見積ではなく、契約書を先に交わしてしまう

いずれも補助対象として認められません。必ず「採択 → 交付申請 → 交付決定」の後に事業を開始する必要があります。

3.賃上げ・付加価値要件は必須条件

ものづくり補助金では、補助事業の終了後、3~5年間の事業計画を立て、次の要件を満たすことが求められます。

  • 付加価値額を年平均3.0%以上増加させる
  • 給与支給総額または1人あたり給与を一定以上引き上げる

これらは形式的な条件ではなく、未達の場合は補助金返還の対象となる重要な要件です。
農業分野であっても例外はなく、「売上が伸びれば自然に達成できるだろう」という前提での計画は大きなリスクになります。

よくある質問

Q:個人農家でもものづくり補助金に申請できますか?

原則として、単なるトラクター・農機具の購入は補助対象外ですものづくり補助金では、事業の付加価値を高める新製品・新サービスの開発が求められます。

そのため、耕作や収穫を行うためのトラクターや一般的な農機具は、生産手段の一部に過ぎないとして評価されにくいのが実情です。
例えば、

  • 老朽化したトラクターの買い替え
  • 生産量を増やすための農機購入

といった内容は、原則として補助対象になりません。

一方で、新たな加工・サービス提供と一体となった設備投資であることを、事業計画全体で明確に説明できなければ、採択は難しくなります。

Q:トラクター購入にものづくり補助金は使えますか?

原則として対象外です。ものづくり補助金では、自動車等車両の購入費は補助対象外とされており、トラクターは走行用車両に該当するため、一般的な購入や買い替えには使えません。
参考:ものづくり補助金公募要領

Q:農業用倉庫はものづくり補助金の補助対象になりますか?

保管目的のみの倉庫は対象外ですが、事業の中核設備であれば検討余地があります。

ものづくり補助金では、倉庫や建物そのものは原則として補助対象外とされています。単なる保管スペースの確保では、付加価値向上や新サービス開発に直結しないためです。

ただし、次のようなケースでは検討の余地があります。

  • 加工・選別・品質管理を行うための専用施設
  • 新商品開発やサービス提供の中核となる工程を担う施設

重要なのは、倉庫を「保管場所」ではなく「事業の中核設備」として位置づけられるかどうかです。
申請時には、

  • その施設で何を行うのか
  • どの工程が新たに生まれるのか
  • 売上・生産性にどのような変化が出るのか

を、数値や事業フローで具体的に説明する必要があります。
参考:ものづくり補助金 総合サイト

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監修者

監修者からのワンポイントアドバイス

ものづくり補助金は革新的なサービスや製品の提供が重視されます。そのため設備を導入すること自体ではなく、設備を使って何を新しく生み出すのかに関して事業計画書で説明をしていく必要がありますので専門家に支援を仰がれると良いでしょう。