IT導入補助金には前期と後期がある?後期はいつ頃?
IT導入補助金は年度内に複数回公募されるのが一般的で、前期・後期と呼ばれることがあります。後期公募は例年夏〜秋頃に実施される傾向があり、最新スケジュールの確認をしておきましょう。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
本コラムの結論3つ
- IT導入補助金は前期・後期にわかれ、後期では制度内容や要件が変更される可能性がある
- 申請枠ごとにスケジュールや条件が異なるため、最新情報を確認し、計画的な申請をすること
- 後期は新しい申請枠や補助条件の拡充が行われることがあり、事業者にとってチャンスが広がる
IT導入補助金・後期についてのFAQ
Q1. 前期で不採択だった場合、後期に再申請できますか?
A. はい、可能です。ただし後期では要件や加点項目が変わる場合があるため、内容の見直しが必要です。
Q2. 前期と後期で採択率に違いはありますか?
A. 公表された明確な差はありませんが、後期は申請内容の成熟度が評価されやすい傾向があります。
Q3. 後期から初めて申請しても不利になりませんか?
A. 不利にはなりません。後期から申請する事業者も多く、要件を満たしていれば十分採択の可能性があります。
Q4. 前期と後期で使えるITツールは変わりますか?
A. 新たなITツールや対応類型が追加されることがあるため、後期開始時に必ず最新の対象ツールを確認してください。
IT導入補助金には前期と後期がある?
IT導入補助金には前期と後期があります。
2023年度の例でいえば、後期は2023年8月1日から2024年1月29日までの期間に実施されました。
前期と後期の違いは何か
IT導入補助金の公募期間は前期と後期にわかれており、どちらにしても決められた期間内に申請する必要があります。
公募期間を過ぎて申し込んでしまうと、どんなに書類が的確でも無効になって受け付けてもらえないため、気を付けましょう。
前期
たとえば、2023年度の前期は、2023年7月31日までの期間でした。前期の申請が終了した後、8月1日から後期の申請が開始されました。
後期
後期では前期とは異なる事務局が担当するため、申請の要件やスケジュールが異なる場合があります。
このように、IT導入補助金は年度ごとに前期と後期にわかれており、それぞれの期間に応じた申請が必要です。申請を検討している企業は、各期のスケジュールや要件を確認しておきましょう。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、国が実施している補助金制度のひとつです。中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際の経費を、補助するためのプログラムといえます。
申請者は、前期あるいは後期に申請を行うことが可能です。
参考:IT導入補助金制度の概要
IT導入補助金の目的と内容について知ろう
IT導入補助金の目的は、中小企業や個人事業主がITツールを導入することで、業務の効率化や生産性向上を図ることです。これにより、企業の競争力を高めることが期待されています。
通常は導入費用の50%を上限として最大150万円まで支給されるのが特徴です。具体的な補助額は、導入するITツールの種類や数、事業者の状況によって異なってきます。
後期になると変更される場合がある
IT導入補助金は前期と後期で公募期間が変わってきますが、その際、後期は前期とは変更点が追加される可能性があります。
たとえば、2023年のIT導入補助金の後期では、次のような変更点がなされました。
セキュリティ対策推進枠が設置された
出典:補助金解説◎IT導入補助金2025 セキュリティ対策推進枠
2023年の後期には、新たにセキュリティ対策推進枠が設置されました。これは、サイバーセキュリティ対策を行うための費用を補助するものです。
サイバーセキュリティお助け隊サービスを利用すれば、最大2年分のサービス利用料が補助対象になるでしょう。
通常枠の補助下限が引き下げられた
IT導入補助金には通常枠(A類型)という枠があります。この枠の補助下限が、30万円から5万円に引き下げられ、より多くの企業が申請しやすくなりました。
クラウド利用料補助が延長になった
出典:2025年IT導入補助金の3つのポイント
通常枠では、クラウド利用料の補助が最大1年分から最大2年分に延長され、長期的な運用コストの軽減が図られています。
手続き方法が変わった
IT導入補助金の申請手続きにあたっては、IT導入支援事業者と連携しながら実施するようにと変更されています。IT導入支援事業者は必要な書類を準備し、IT導入補助金事務局に提出しなければなりません。
申請の際は、事業者のニーズに合ったITツールを選び、その導入計画を明確にします。
このように、IT導入補助金の後期においては変更点がいくつかあり、申請を検討する企業にとっては大きなチャンスとなるでしょう。
IT導入補助金は、中小企業や個人事業主が業務を効率化し、売上を伸ばすために活用できる支援制度です。
インボイス対応の申請枠では、会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフトなどのソフトウェアに加え、パソコン・タブレット・レジ・現金自動販売機といったハードウェアの導入費用も補助対象です。
補助金の上限は最大450万円で、個人事業主から中小企業まで幅広く申請できます。業務の効率化を進め、収益向上を目指す方にとって魅力的な制度となるでしょう。
IT導入補助金の種類
IT導入補助金と一口にいっても、その使い方には5つの種類があります。ここでそれぞれの特徴を見ていきましょう。
通常枠
これは、一番よく使われる補助金の種類です。お店や会社が、仕事をラクにするためにITを使いたいと思ったときに使える枠です。
たとえば、次のようなITツールを導入したい時は、通常枠を選ぶと良いでしょう。
- お客さんの予約を管理するアプリ
- スタッフの出勤や退勤を記録するシステム
この通常枠の中でも種類があります。
- A類型(5万円以上150万円未満)
- B類型(150万円以上450万円以下)
A類型は安いシステム向け、B類型は高いシステム向けです。
セキュリティ対策推進枠
最近、インターネットで悪い人たちが情報を盗んだりする事件が増えています。ネット詐欺やサイバー攻撃、スキミングやフィッシングなどが懸念されています。ネットでデータ管理をする機会が増えている現代だからこそ、セキュリティ対策が欠かせません。
会社の大事な情報を守りたい!と考えたときに、このセキュリティ対策推進枠が使えるでしょう。
セキュリティ対策につながるITツールには、次のようなものがあります。
- 会社のネットワークを守るシステム
- コンピューターのウイルス対策ソフト
補助金は、5万円~100万円の間で受け取れます。
デジタル化基盤導入枠
これは、お店や会社がもっとデジタル機器を使えるようにするための補助金です。
例)
- ネットショップのシステム
- お金の管理をラクにするソフト
このデジタル化基盤導入枠では、補助金額は使うシステムの種類によって変わってきます。
商流一括インボイス対応類型
少し難しい名称ですが、要するにインボイスという新しい制度に対応するための枠です。
インボイスとは、簡単にいえば会社が取引先にお金を請求する時に発行する書類のことです。商流一括インボイス対応類型で申請すれば、お店や会社はインボイスに対応したシステムを導入できるでしょう。
参考:インボイス制度について
複数社連携IT導入類型
これは、複数の会社が協力してITを使うときに使える補助金です。
例)
- 多種多様な企業が共同でネットショップを立ち上げる
- 町の商店街がみんなでお店の情報を管理するシステムを導入する
このとき、みんなでITを使うなら補助されます。
参考:通常枠について
IT補助金ではどのように申請すればいい?
出典:【公式】交付決定後に必要な手続き
IT導入補助金にはいくつか枠があり、最適な枠を選んで申請することになります。とはいえ、いくら適切な枠を使って申請したとしても、審査に受からないことにはIT導入補助金はもらえません。IT導入補助金を受けるためには、採択されることが大前提です。
そして審査される前には、申請という手続きが必要です。
では、申請手続きをするにはどのような手順を踏めばいいでしょうか。
どの補助金を利用するかを決める
自社やお店に合った補助金を選びましょう。
適切なITツールを選ぶ
国が認めているITツールの中から選ぶ必要があります。国が認めていないツールだと対象外になってしまうため、申請不可です。
申請の準備をする
申請に必要な書類を揃えましょう。
申請する
IT導入補助金の申請はオンラインでしなければならないため、インターネット環境が必須です。
審査結果を待つ
申請が通れば、補助金を受け取ることができます。
まとめ
お店や会社が、仕事をより効率的にしたり、効率化したいというとき、ITツールの導入を検討するでしょう。そんなときにIT導入補助金を使うと、金銭的な支援を受けられます。
IT導入補助金の枠にはいくつか種類があります。
- デジタル化基盤導入枠→もっとデジタル化したい
- 通常枠→ITツールを使って仕事をもっと効率化させたい
- セキュリティ対策推進枠→インターネットの安全を守りたい
- 複数社連携IT導入類型→みんなで一緒に同じITツールを共有したい
- 商流一括インボイス対応類型→新しいお金の管理ルールに対応したい
お店や会社をやっている人たちは、ぜひこの補助金の活用を検討してみてください。
IT導入補助金には加点項目もある
中小企業や小規模事業者が、ITツールを導入する際に国から支援を受けられるIT導入補助金。このIT導入補助金を申請する際、審査でプラス評価を受けやすくする加点項目があります。
次のような項目が評価のポイントです。
- 従業員の賃上げを進めているか
- セキュリティ対策に力を入れているか
- 企業の生産性向上や働き方改革を考えているか
- 国が推進する取り組みに積極的に参加しているか
- インボイス制度やクラウドの導入に取り組んでいるか
通常枠とインボイス枠の違いについて
前述したように、IT導入補助金には複数の枠があります。
たとえば通常枠やインボイスがありますが、それぞれの枠ごとに加点項目は異なります。
通常枠の加点項目とは
- クラウド製品を導入している
→ITツールとしてクラウドサービスを活用している
- 賃上げの計画を立て、実行している
→3年間で給与を一定割合以上増やす計画を持っている
- 地域未来牽引企業に選ばれている
→地域経済を引っ張る役割を担う企業として選ばれている
- インボイス制度対応のITツールを導入
→インボイス制度に対応した会計ソフトなどを使っている
- 地域未来投資促進法の承認を取得
→地域経済を活性化させる取り組みを行う企業が認められる制度
- 事業場内最低賃金を地域の最低賃金より30円以上高くする
→従業員のモチベーションアップや人材確保にもつながる
- サイバーセキュリティ対策を行っている
→国が推奨するサイバーセキュリティお助け隊サービスを利用している
インボイス枠の加点項目とは
- 地域未来牽引企業に選ばれている
- 社員の健康を考えた経営を行う企業
- 健康経営優良法人に認定されている
- 3年間の事業計画を策定し、実行している
- 地域未来投資促進法の承認を取得している
- 地域DX促進活動支援事業の支援を受けている
- 給与支給総額を年平均1.5%以上増やしている
- 介護職員の待遇改善に取り組んでいる法人である
- 最低賃金を地域の基準より30円以上高くしている
- 「えるぼし」「くるみん」などの認定を持っている
- 女性活躍推進法や次世代育成支援の認定を受けている
- サイバーセキュリティお助け隊サービスを導入している
どの条件を満たしているかを確認し、申請の際に有利に進めましょう。
参考:申請を行う前に必要な手続き
IT導入補助金のメリットとデメリットには何がある?
IT導入補助金は、ITツールを導入することでもっと生産性を上げたいと考える事業者にとって、おすすめの制度です。
しかし、良いことばかりではありません。
IT導入補助金には利点もありますが、同時にデメリットも存在します。
ここで両方の側面を確認しておきましょう。
IT導入補助金のメリット
- サブスクも補助対象
- ハードウェアの購入に利用できる
- 月額・年額課金のITツールも2年間まで補助が受けられる
- インボイス枠ならPCやPOSレジ、券売機なども補助対象
デメリット
- 交付決定されても報告義務がある
- 補助金の振り込みまで時間がかかる
- 事業終了後に売上や従業員数などを報告しなければならない
- すぐにお金がもらえるわけではないため、最初は自己負担になる
- 給与支給総額の増加目標を達成できないと補助金返還の可能性がある
まとめ
IT導入補助金は、特にインボイス制度に対応したITツールを導入する中小企業や小規模事業者にとって、とても有用な制度といえます。
通常枠とインボイス枠で申請しようと考えている事業者は、二つの違いを理解し、加点項目を満たせるように準備しておきましょう。
特に、
- 従業員の給与や待遇改善
- インボイス制度に対応するITツールの利用
- クラウドサービスやセキュリティ対策の導入
などの取り組みを進めると、加点項目が増えて採択される可能性が高くなります。
IT導入補助金にはデメリットもありますが、ぜひ上手に活用して事業の効率化を進めてください。
2025年IT導入補助金の前期と後期はいつ?
2025年最新版のIT導入補助金のスケジュールはどのようになっているでしょうか。
例年通り、2025年もIT導入補助金の公募期間が前期と後期で分かれることが予想されています。
ただ、後期の時期については未発表で、いまのところ前期の予定しかわかっていません。後期については今後の発表を待ちましょう。
2025年でも複数の枠組みが存在し、それぞれ異なるスケジュールが設定されています。
通常枠
通常枠では、1次締切分の締切日が2025年5月12日(月)に予定されており、交付決定日は2025年6月18日(水)です。
交付決定が下りると、事業実施期間が開始されます。この期間は、交付決定日から2025年12月26日(金)の17時までとされており、この日までに事業を完了させる必要があるでしょう。
また、事業実績報告の提出期限も同日です。
インボイス枠
次に、インボイス枠についてです。
インボイス対応類型と電子取引類型の2種類があります。いずれの類型も、1次締切分の締切日は2025年5月12日(月)までで、交付決定日は2025年6月18日(水)までです。
交付決定後、事業実施期間が開始され、2025年12月26日(金)の17時までに事業を実施しなければなりません。
事業実績報告の提出期限も同日であり、適切な報告を行うことが求められます。
セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠の1次締切分の締切日は、2025年5月12日(月)で、交付決定日は2025年6月18日(水)です。事業実施期間は交付決定日から2025年12月26日(金)の17時までとされています。
事業の遂行が求められるでしょう。事業実績報告の提出期限も同日です。
複数社連携IT導入枠
複数社連携IT導入枠については、1次締切分の締切日が2025年6月16日(月)と設定されており、交付決定日は2025年7月24日(木)です。
交付決定後の事業実施期間は、交付決定日から2026年1月30日(金)までとされています。これに伴い、事業実績報告の提出期限も2026年1月30日(金)までです。
このように、2025年のIT導入支援事業に関するスケジュールは、複数の枠組みにわかれており、それぞれ異なる申請受付期間や締切日、交付決定日、事業実施期間が設定されています。そのため、事業者は各枠組みのスケジュールを正確に把握し、適切な時期に申請を行いましょう。
交付決定後の事業実施期間内に適切に事業を遂行し、期限内に事業実績報告を提出してください。事業を成功させるためにも、これらのスケジュールを十分に理解し、計画的に対応しましょう。
おわりに
IT導入補助金は、簡単にいえば、中小規模の会社やお店が仕事をより効率的にするため、ITを使うときに助けてもらえるお金のことです。
たとえば、
- お店のレジを新しくしたい
- 仕事の予定を管理するシステムを入れたい
- お客さんの情報をまとめるアプリを使いたい
というとき、国が「それなら金銭的支援をしますよ!」と応援してくれます。
IT導入補助金は毎年公募されていますが、例年ルールが少しずつ変わっています。前期と後期でも変わることがあるので、変更点についても確かめておきましょう。
事例)
- 補助金の下限額が下がった
- クラウドサービスの補助の仕方が変わった
このように、大きな変化ではないものの、若干の変更点がみられる場合があります。前期と後期とでは、IT導入補助金を受け付ける事務局が変わる関係もあります。
2025年も、前期と後期とでは変更点が出てくる可能性があるので、後期に申請しようと考えている事業者は、最新情報をチェックしておきましょう。
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監修者からのワンポイントアドバイス
IT導入補助金は国会で予算が組まれており、毎年実施をされている人気のある補助金の一つとなっております。公募回数も多く、登録されているITツールも豊富に存在することから様々な事業者の方が申請しやすい補助金です。是非ご検討されると良いでしょう。

