キャリアアップ助成金はいくらもらえる?【2025年最新】支給額を解説
キャリアアップ助成金の支給額は対象のコースや企業規模により幅がありますが、一般的に1人あたり数万円〜数十万円程度です。最大支給額は内容によって変わるため、最新の制度ページで具体額を確認しましょう。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
本コラムの結論3点
- キャリアアップ助成金は、非正規雇用者の正社員化や待遇改善を支援する国の制度
- コース選択と事前準備次第で、人材定着と助成金の両立が可能
- 2025年改正で支給額や対象区分が見直され、活用しやすさが向上
キャリアアップ助成金についてのFAQ
Q1. 個人事業主でもキャリアアップ助成金は使えますか?
雇用保険の適用事業所であれば、法人だけでなく個人事業主でも申請可能です。
Q2. 同じ従業員に複数コースを併用できますか?
原則として、同一の取り組み期間・同一労働者に対する重複受給はできません。
Q3. 助成金は課税対象になりますか?
はい、原則として事業所得または雑収入として課税対象になります。
Q4. 不採択になる主な理由は何ですか?
- 書類不備
- 計画届の未提出
- 賃金増額要件の未達
などが主な原因です。
Q5. 社労士に依頼しないと申請できませんか?
必須ではありませんが、制度が複雑なため専門家に依頼する企業も多いです。
キャリアアップ助成金とは何か
出典:【2024年4月】キャリアアップ助成金「正社員化コース」が拡大予定!変更点や注意点を解説
キャリアアップ助成金は、どのような目的で設けられた制度なのかを見ていきましょう
キャリアアップ助成金の目的について
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の労働者を正社員に転換することを支援するために設けられた制度です。
非正規雇用者の雇用の安定を図り、彼らのキャリアアップを促進することが狙いです。
具体的には、企業が非正規雇用者を正社員として雇用する際に、経済的な支援を通じて、労働者の定着率向上と生産性の向上を目指しています。
非正規から正社員への転換を支援する仕組み
キャリアアップ助成金は、企業が非正規雇用者を正社員に転換する際に、ひとりあたり最大80万円支給される制度です。
契約社員やパートタイマー、アルバイト、派遣社員など、さまざまな非正規雇用者が対象となります。
企業は、非正規雇用者を正社員にすることで、雇用の安定を図り、労働者の意欲を高めることが期待されています。
キャリアアップ助成金を受け取るためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 企業が雇用保険の適用事業所
- 非正規雇用者を正社員に転換し、転換後6カ月以上雇用を継続している
- 正社員化後の賃金が、正社員化前の賃金と比較して3%以上増額されている
このように、キャリアアップ助成金は、企業が非正規雇用者を正社員に転換する際の経済的な負担を軽減し、雇用の安定を図るための支援策といえます。
参考:キャリアアップ助成金
みんなの補助金コンシェルジュでは、キャリアアップ助成金の活用を専門家がサポートしています。「自社はいくら受給できるのか知りたい」「どのコースが最適かわからない」「申請条件を満たしているか不安」など、気になる点はお気軽にご相談ください。受給額の目安確認から申請準備まで丁寧にサポートします。
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キャリアアップ助成金の主なコースの種類と特徴
正社員化コース
このコースは、非正規雇用(有期契約社員・無期契約社員・派遣労働者など)で働いている人を、正規雇用(正社員)に転換したり、あるいは直接雇用したりした事業主に対して助成金を支給するものです。
正社員化というキャリアアップを企業が実行したときに、その費用や取り組みを支援する制度といえるでしょう。
【特徴・2025年の改正ポイント】
2025年度(令和7年度)から、このコースには大きな変更がありました。
まず、重点支援対象者という区分が新設されました。これに該当する労働者を正社員化した場合、助成額が高めに設定されています。
また、支給額が見直され、対象となる労働者の区分(有期契約から正規、無期契約から正規)および企業規模(中小企業/大企業)によって金額が異なります。
たとえば中小企業で有期→正規、重点支援対象者に該当する場合、一人あたり最大 80万円(40万円 × 2期)です。
一方、重点支援対象者以外の場合は、たとえば有期→正規で中小企業なら一人あたり 40万円のみ(1期分)となります。
2期にわたる支給…転換後6か月経過後、さらに6か月継続した場合に支給される仕組みです。
普通の対象者は1期分のみです。
新規学卒者(たとえば新卒で入社した人)が、入社後すぐに正社員化した場合は支給対象外となる場合があります。対象となる非正規歴を一定期間持っていた人などが重視されるということです。
【実務上のポイント】
企業がこのコースを利用するには、転換前にその労働者が契約社員などで、正社員とは異なる雇用区分で6か月以上勤務していたという実績を確認する必要があります。
転換後も就業規則・賃金体系などが正社員と同様のものになっているか、賞与や昇給の制度があるかなどもチェックされるでしょう。
賃金規定等改正コース
出典:2022年度 キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コースについて)
このコースは、非正規雇用労働者(有期契約など)の基本給や賃金の規定を改定したものです。
たとえば、3%以上など一定の引き上げを行ったうえで、6か月以上適用した企業に対して支給されます。
正社員化ではないが、待遇改善を行った企業を支援する制度です。
【特徴・2025年の改正ポイント】
2025年度には、賃金を3%以上増額などの条件がさらに明確化され、引き上げ率に応じて助成額が段階的に設定されています。
たとえば、3%以上4%未満であれば4万円、「4%以上5%未満」で5万円、5%以上6%未満で6.5万円、6%以上で7万円(中小企業の場合)という具体的な金額例があります。
さらに、昇給制度を新たに設けた場合や職務評価制度を活用した場合などについて加算措置も設置済み。
単純な賃金アップだけではなく制度整備を行った企業へのインセンティブもあります。
手続き面でも、2025年4月以降、計画届の認定が不要となり、提出のみで済むようになるなど、実務負担が軽減されています。
【実務上のポイント】
賃金規定を改定するにあたっては、改定前の賃金規定が明確にされている、改定後の賃金が確実に支払われている、改定を適用する対象者が明確であることなどがチェックされるでしょう。
引き上げ後、6か月以上継続雇用しなければなりません。
賞与・退職金制度導入コース
このコースは、有期契約労働者等に対して、賞与制度や退職金制度、あるいはその両方を新たに導入し、支給または積立てを行った事業主に助成金を支給するものです。
非正規雇用の人たちにも、正社員に近い待遇を導入する企業を支援しています。
【特徴・2025年の改正ポイント】
2025年度時点では、賞与または退職金制度どちらかを導入した場合、中小企業で40万円(大企業で30万円)支給されます。
さらに、賞与と退職金の両方を同時に導入した場合には、 中小企業で56.8万円(大企業で42.6万円)といった金額が設定されています。
導入対象となる労働者は、制度導入日前から3か月以上勤務しており、導入後6か月以上継続雇用されていることなどが要件です。
なお、以前の諸手当制度等共通化コースから名称・対象が整理されており、賞与・退職金に絞った制度です。
【実務上のポイント】
この制度を活用するには、就業規則または労働協約にすべての有期契約労働者等に対して賞与または退職金制度を適用する旨を定めなければなりません。
また、制度導入後に実際に賞与支給または退職金積立てが行われ、6か月以上継続雇用されていることが不可欠です。
短時間労働者労働時間延長支援コース
出典:【公式】キャリアアップ助成金
このコースは、2025年7月1日に新設された比較的新しいコースで、いわゆる年収の壁(例:年収130万円など)に対応するためのものです。
短時間労働者(週の労働時間が短いパートタイマーなど)について、労働時間を延長し、社会保険適用を実現しながら収入を増加させる取組を行った事業主に対して、助成金を支給します。
【特徴・2025年の改正ポイント】
労働時間を5時間以上延長するなど一定の条件を満たすこと。あるいは4時間以上延長かつ5%以上の賃金引上げなどの複合条件を満たすことが求められます。
支給額としては、対象労働者1人あたり最大 75万円という大きな金額です。
企業としては、短時間労働者の時間延長+待遇改善という形で活用が可能です。
このコースは社会保険加入促進+収入増加の両方を目的としており、特にパートタイマーの定着や時間延長を図りたい企業にとっては有効な支援策といえるでしょう。
【実務上のポイント】
このコースを使うには、対象となる労働者が社会保険未適用の状態から適用対象となる契約形態であることです。
また、延長前・延長後の労働時間・賃金の増加実績をしっかり把握しておきましょう。
さらに、延長を行った上で6か月以上継続雇用されているなどの要件もあります。
参考:各種助成金・奨励金等の制度
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キャリアアップ助成金ではいくらもらえる?コース別の支給額
キャリアアップ助成金は、非正規雇用者を正社員に転換する際や、賃金を引き上げる際に企業が受け取れる助成金です。
以下に、主要なコース別の支給額について詳しく説明します。
正社員化コース
正社員化コースでは、企業の規模や対象となる労働者の雇用形態に応じて、支給額が異なります。
中小企業の場合
- 有期雇用から正社員: 最大80万円(40万円×2期)
- 無期雇用から正社員: 最大40万円(20万円×2期)
大企業の場合
- 有期雇用から正社員: 最大60万円(30万円×2期)
- 無期雇用から正社員: 最大30万円(15万円×2期)
正社員化コースでは、正社員に転換した後、6ヶ月間継続して雇用することで、1期目の申請が可能です。さらに6ヶ月後に2期目の申請ができます。
特に重点支援対象者として認定される労働者(たとえば、雇入れから3年以上の有期雇用者など)は、より高い助成金を受給できるでしょう。
賃金規定改定コース
賃金規定改定コースでは、労働者の基本給を引き上げることに対して助成金が支給されます。
引き上げ率に応じて、支給額が異なります。
- 引き上げ率6%以上: 7万円(大企業は4.6万円)
- 引き上げ率3%以上4%未満: 4万円(大企業は2.6万円)
- 引き上げ率4%以上5%未満: 5万円(大企業は3.3万円)
- 引き上げ率5%以上6%未満: 6.5万円(大企業は4.3万円)
賃金を3%以上引き上げることが条件です。
企業が労働者の処遇改善に取り組む際に利用されます。
その他のコース
キャリアアップ助成金には、他にもいくつかのコースがあります。
以下はおおよその支給上限です。
- 社会保険適用時処遇改善コース: 最大50万円(大企業は37.5万円)
- 賃金規定等共通化コース: 1事業所あたり60万円(大企業は45万円)
- 賞与・退職金制度導入コース: 1事業所あたり40万円(大企業は30万円)
これらのコースは、企業が労働者の待遇を改善するための取り組みを支援するために設けられています。
各コースの詳細や条件については、申請を検討する際に確認しておきましょう。
このように、キャリアアップ助成金は、企業が非正規雇用者を正社員に転換したり、賃金を引き上げたりする際に、経済的な支援を提供する制度です。
各コースの支給額や条件を理解し、適切に活用することで、企業の人材育成や雇用の安定に寄与することが期待されます。
参考:中小企業・小規模事業者向け補助金情報
キャリアアップ助成金の支給額に影響するのは何?
キャリアアップ助成金は、どのコースを選ぶかによって基本の支給額が決まります。
さらには、実際に受け取れる金額は企業の取り組み方や労働者の状況によっても変動します。
主に次の3つのポイントが大きく関係します。
対象労働者数
支給額は、転換や改善の対象となる労働者の人数に比例して増えます。
たとえば、正社員化コースで3人を正社員にした場合、支給額は1人あたりの金額×3人分となります。
ただし、助成金には1事業所あたりの上限額が設定されており、無制限に受け取れるわけではありません。
また、同時期に多数の従業員を転換した場合でも、審査や確認資料の確認に時間がかかることがあるため、計画的に進めてください。
転換後の賃金引き上げ率
キャリアアップ助成金では、非正規から正社員になったあと、給与が上がっているかがとても重視されます。
転換後に賃金を上げていない場合は、助成金の対象外となる場合があるので気を付けましょう。
また、賃金の上昇率が高いほど支給額が加算されるケースもあり、企業がどれだけ待遇改善に取り組んでいるかが評価されます。
単に形式的な正社員化ではなく、安定した働き方や実質的な待遇改善を行う企業がを行う企業がより高く評価される仕組みです。
事業所の規模や実施状況
中小企業と大企業では、支給額に差があります。
一般的に、中小企業のほうが国の支援を強化する目的から、助成額が大きく設定されています。
たとえば、同じ正社員化でも、大企業より中小企業の方が1人あたり10万円〜15万円ほど多く受け取れるケースが多いです。
また、取り組みの実施方法(段階的転換・就業規則改定の有無・訓練の実施内容など)も審査に影響します。
助成金を最大限に活用するには、労働環境整備の実績を明確に記録し、書類で示せるようにしておくことがおすすめです。
キャリアアップ助成金の申請の流れと注意点
キャリアアップ助成金を受け取るには、ただ正社員化した、制度を変えただけでは足りません。事前の計画届提出と、期限を守った申請が不可欠です。
そこでここでは、一般的な流れを紹介します。
申請前に計画届を提出する
まずは、助成金を申請する前に、キャリアアップ計画書を労働局に提出しましょう。
これはどんな取り組みを、いつ、どのように実施するかをまとめた書類で、事前に届け出をしないと支給対象外になる恐れがあります。
たとえば、正社員化コースなら、対象となる非正規社員の人数、転換予定日、転換後の賃金条件などを明確に書いてください。
計画届が受理されてから、実際の転換や制度改定を行う流れです。
必要書類と提出先について
申請時には、以下のような書類を提出しましょう。
例)
- 給与台帳・出勤簿
- 労働契約書・雇用契約書
- 雇用保険の加入証明書類
- 就業規則・賃金規定の写し
- 申請書(厚生労働省の様式)
提出先は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークです。
書類に不備があると受理されないことも多く、再提出になると時間がかかります。そのため、社会保険労務士など専門家に確認してもらう企業も増えています。
キャリアアップ助成金支給までの期間はどれくらい?
申請から支給決定までは、通常2〜3か月程度かかります。
ただし、内容確認や書類の追加提出が必要な場合は、さらに期間が延びることもあるでしょう。
審査は慎重に行われるため、余裕をもって申請スケジュールを立ててください。
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監修者からのワンポイントアドバイス
キャリアアップ助成金は、単なる資金獲得ではなく、人材定着や環境整備を目的とする制度です。適切なコース選定と計画的な申請により、人件費負担を軽減しつつ、従業員が長く働ける魅力的な職場づくりを実現できます。

