空き家の解体費用に使える補助金まとめ【2026年版】
古い家や空き家を解体する場合、多くの自治体では解体費用を補助する制度を設けています。条件を満たせば、解体費用の一部(30〜100万円前後)を補助してもらえる可能性も。補助金を活用して、費用負担を軽減しながら空き家の撤去や土地の有効活用を進めましょう。


補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
ポイント
- 空き家の解体費用には、自治体の補助金が使える(補助上限額は30〜100万円が中心)
- 対象は老朽化した住宅や空き家など
- 申請は工事前が原則で、交付決定前に着工すると補助対象外になる
空き家の解体費用に補助金は使える?
古い家や空き家を解体する場合、多くの自治体で「空き家除却補助金」などの支援制度を利用できます。
条件を満たせば、解体費用の一部(30〜100万円前後)を補助してもらえる可能性があります。木造住宅40坪の解体費用はおおむね200万円前後です。補助金を利用すれば、そのうち最大で100万円程度が支援対象となるケースもあるので、約半額で空き家の解体ができます。
空き家の解体費用に補助金が使える理由
自治体は、地域の防災・安全性・景観保全の向上のため、空き家の解体費用の一部を支援しています。総務省の「住宅・土地統計調査(令和5年)」によると、全国の空き家数は約900万戸を超え、1978年以降増加し続けています。放置された空き家は、防災・治安・景観の面で地域問題となるため、多くの自治体が解体を促す補助制度を整備しています。
参考:総務省「住宅・土地統計調査(令和5年)」
解体費用に使える補助金の条件は?
空き家解体費用向けの補助金には、対象者と対象建物の条件を満たす必要があります。対象者は、補助金制度のある自治体に住む個人や家の相続人、建物の条件は、使用されていない、または老朽化・倒壊の恐れがあることなどが挙げられます。
項目
内容
対象者
空き家の所有者または相続人(個人)
対象建物
使用されていない、または老朽化・倒壊の恐れがある住宅
補助上限額
30〜100万円程度
補助率
工事費の1/3〜1/2が目安
申請時期
各自治体の公募期間内(工事前申請が必須)
参考:国土交通省「空家等対策特別措置法」
申請時の注意点
補助金は「工事前申請」が原則で、条件を満たさないと受け取ることができません。
主な注意点
- 交付決定前に解体工事を始めると対象外になる
- 建て替え目的の解体は対象外の場合が多い
- 書類不備は不採択の原因になる
- 地元業者の利用が条件の自治体もある
申請に必要な書類は以下の通りです。
必要書類の例
- 申請書類一式(自治体指定)
- 解体工事の見積書
- 建物登記事項証明書
- 現況写真・周辺地図
- 納税証明書(滞納がないことの証明)
申請から受給までの流れは?
空き家の解体費用に使える補助金の流れは、申請、交付決定、工事、受給が一般的です。
自治体によって細かな手続きは異なるのでご注意ください。
受給までの一般的な流れ
- 事前相談:お住まいの市区町村が実施している制度を確認し、条件に合うかを窓口で相談します。
- 現地調査:職員が現地を確認し老朽度の判定を行います。補助対象と判定された場合には申請書を提出します。
- 申請書提出:申請書と一緒に登記簿謄本、解体工事の見積書の写しなどを提出します。
- 交付決定:申請内容が審査され、交付が認められると「交付決定通知書」が届きます。
- 解体工事:通知を受け取った後に工事を開始します。
- 実績報告書提出:工事完了後、領収書・完了写真・報告書をまとめて自治体へ提出します。
- 補助金受給:報告内容が確認されると、指定口座に補助金が入金されます。
補助金は後払い方式のため、まずは自分で解体費用を立て替える必要があります。資金計画を立ててから申請を進めることが重要です。
補助金を上手に活用するための3つのコツ
解体費用の補助金は、自治体によって制度名や条件が異なります。まずは、お住まいの地域でどんな支援制度があるのかを確認することから始めましょう。
制度を見つける3つのステップ
- 「市区町村名+解体補助金」で検索する
例:「横須賀市 解体補助金」「京都市 空き家除却」など。
自治体によっては「空き家対策補助金」「除却費補助金」といった別名称になっていることもあります。
- 対象条件・上限額・受付期間をチェックする
補助対象となる建物(空き家・旧耐震住宅など)や、補助率(1/3や1/2など)を確認しましょう。
受付期間は予算枠が埋まり次第終了する場合があるため、早めの確認が大切です。
- 不明点は自治体の担当課に問い合わせる
住宅課や建築指導課など、担当窓口に電話すれば丁寧に案内してもらえます。
「うちの家も対象になりますか?」と気軽に聞いて大丈夫です。
解体費用に使える補助金事例|自治体別
自治体によって補助内容や条件は異なります。ここでは代表的な自治体の制度を3つ紹介します。
京都市|京都市空き家等の活用・流通補助金
京都市では、昭和以前に建築された市場に流通しづらい空き家が放置され、老朽化が進むことを予防し、空き家の活用・流通を促進させるため、令和7年度までの期間限定で、空き家の所有者を対象とした「京都市空き家等の活用・流通補助金」の制度を設けています。
項目
内容
対象
京都市内の空き家を所有する個人・相続人
補助額
工事費の1/3(上限60万円)
※解体後、敷地を隣地と一体利用する場合は
最大20万円加算
条件
市内登録業者による施工が原則
参考:京都市情報館
千代田区|木造住宅の耐震化促進助成
千代田区では、震災時の人的・物的被害を最小限にとどめるため、居住者のいる木造住宅 を対象に、耐震診断及び耐震改修等に要する費用の一部を助成します。
項目
内容
対象
区内にある旧耐震基準の木造住宅(所有者・使用者)
補助額
工事費の2/3(上限80万円)
条件
居住中または居住可能な建築物が対象
参考:千代田区
神奈川県横須賀市|空き家解体費用助成事業
横須賀市では、古くなり老朽化した空き家の解体工事費用に対する補助を行っています。
項目
内容
対象
区内にある旧耐震基準の木造住宅(所有者・使用者)
補助額
工事費の1/2(上限35万円)
条件
市内施工事業者に解体工事を発注することなど
参考:横須賀市
このように、自治体によって補助額・条件・対象が異なります。まずはお住まいの地域の公式ページを確認し、「空き家除却」「解体費補助」などの名称で制度を探すのが確実です。
解体費用補助金が使えない場合はどうすればいい?
自治体の空き家の解体費用に使える補助金は、主に老朽化や倒壊の恐れがある住宅を対象としています。そのため、建て替えを予定している家や条件に当てはまらない空き家の場合は、補助の対象外になることもあります。
しかし、条件に合わなかったとしても、目的に応じて別の補助制度を活用できる可能性があります。ここでは、耐震性を高めるために解体を行うケースなど、実際に検討できる代替策を紹介します。
耐震改修を目的とする場合は「免震・耐震補強の補助金」を検討しよう!
「家が古く、地震に弱いのではないか」と感じている場合は、耐震改修や免震補強の補助制度を活用できることがあります。これらの制度は、旧耐震基準で建てられた住宅をより安全にするため、診断・補強・解体を含む工事費の一部を助成するものです。
たとえば、東京都千代田区では「木造住宅の耐震化促進助成」を実施しており、高齢者などが住む木造住宅の耐震診断・耐震改修、そして解体にかかる費用を補助しています。条件を満たす場合、最大80万円の助成金を受け取ることが可能です。
対象となるのは、昭和56年(1981年)以前に建築された旧耐震基準の住宅で、建替後の住宅が新しい耐震基準を満たすことが求められます。このような制度は、千代田区に限らず全国の自治体で実施されていることがあるため、まずはお住まいの地域でも同様の制度があるか確認してみましょう。
免震補強の補助金とは?診断や工事にかかる費用が対象!

監修者からのワンポイントアドバイス
空き家を対象にした補助金は全国の様々な自治体で行われています。空き家の改修工事のみならず解体工事の費用も補助金の対象としている自治体もあります。また商店街の空き家対策に活用できる補助金を用意している自治体もあります。空き家増加が社会問題となっているため補助も手厚くなっています。

